今考え中だ

こじらせ中年って多いですよね。恋愛市場引退したいような、それでいて、私だってまだまだ的な。「まだまだ、ときめいていたいっ」っていう完璧リア充も多いけど、一方で、わたしなんて、いやー、もう、でも?みたいな人も多いと思うんです。つまらない日常からどうやって目をそらしてこう?というヒントが提示できたらという作品を書いていきたいと思っています。また、考えすぎて頭がバカとか変態になっていしまった方へ向けてのメッセージも込めてます。若い人にも読んでいいただきたい!死ぬからさぁ。

吉本隆明氏との、あれこれの想い出(S医師への手紙から)

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写真提供by知人I氏

 

・吉本氏

亡くなって何年なんだろう。

わたしと吉本さんの出会いをかきます。まず今持ってないし、本の題名も覚えてないんだけど、なんか、吉本さんと、田原さんという精神療法の研究をやっている方の対談の本があって、それを読んで、「ふーん」とか思い、田原さんに手紙を出したんですよ。あんまり覚えてないけど、まあ多弁が高じてのお手紙だったんじゃないかと。そして内容は自分の病状について書いたんです。そしてその田原さんが、わたしを恵比寿まで呼んでくれて、お話を伺ったり、漢方薬をもらったりしてたんですけど、わたし毎回文章を書いて、恵比寿に行ってたんですね。そしたら田原さんが、わたしの文章はずいぶんといいじゃねえかと言ってくれて、それでっていう流れだったんです。私が吉本さんにお電話したのが始まりでしたね。

 で初めて吉本さんのお宅を伺ったとき、小説を携えて行ったんです。でよく覚えているのはお土産にゴーフルを持って行ったんです。その後たまに吉本さんのところに一人でもうかがうようになった。でもここは少しメンドクサイ作業があって。吉本さんのところって電話が常に留守電なんです。だからしょうがないので、「吉本さーん、吉本さーん、いらっしゃいますか? K(私)です!!」とかがならなくてはならない。そうするとおもむろに吉本さんが電話に出てくれるんです。なんかちょっとレトロな感じのリビングでしたね。有名な話なんですけど、そのリビングにはシャンデリアがかかっているんです。素敵でしたよ。でも絢爛豪華っていう雰囲気でもないんですよね。

 で前に言ったことあるけど「Kさんならいつでもデビューできるから」って言われて、書かなくなったっていう(笑)。

 最後の訪れたいという電話には奥さんが出られた。お久しぶりですなんてあいさつの後、奥さんが、「Kさんの作品、主人いつも楽しみにしていたんですけど、もう、目がね」

っていう話で、驚いて、そのころ私はワープロで書いていたから、「目がそんなにお悪くなったんですか? 9倍角ならどうでしょう?」というと、奥さんがからからと笑って、「申し訳ないんだけど、そういう問題でもなくってね…」ってお話で、そこからなんだかわたし、がっかりしちゃって、小説を書かなくなってしまった。

ま、そんな思い出ももう失ってしまった。損失感? そうじゃない。楽しかった思い出です。