今考え中だ

こじらせ中年って多いですよね。恋愛市場引退したいような、それでいて、私だってまだまだ的な。「まだまだ、ときめいていたいっ」っていう完璧リア充も多いけど、一方で、わたしなんて、いやー、もう、でも?みたいな人も多いと思うんです。つまらない日常からどうやって目をそらしてこう?というヒントが提示できたらという作品を書いていきたいと思っています。また、考えすぎて頭がバカとか変態になっていしまった方へ向けてのメッセージも込めてます。若い人にも読んでいいただきたい!死ぬからさぁ。

ウルトラ夫婦の人類愛について

ウルトラ夫婦の人類愛について

 

ウルトラの父は今日もご機嫌だ。

 

しかし、わたくしことウルトラの母はそうでもない。

 

意外にもウルトラ兄弟6人を出産した母だが、性格は意外にネガ。

 

口癖は「あーあ、やんなっちゃうな」

 

 

やなことがないとしてもそう言うのである。

 

父が絶好調であることには理由がある。

 

それは・・・ゾフィから誕生日プレゼントとして「肩もみ券が」が送られてきたのだ。

 

しかしそれにしても・・・と母は思う。

 

というのも父の誕生日は3月だ。

そして今は9月。

 

我が息子ながら、アホではないのかと疑念を抱く。

 

まあ、そんなことは枝葉末節であるのであるのだろうか?

 

人に、そして子に、寛大であらねばと少々反省する母である。

 

いずれにせよ子供たちは巣立っていき、今育てているのは黄色いセキセイインコのきぃちゃんだ。

 

セキセイインコをなめている人は多い。

 

 

意外に狂暴なんである。

 

そこに目をつけたのが、わたしたちウルトラの父ウルトラの母であった。

 

慧眼にも、「こいつはいずれ、地球を守る、立派な戦士になるであろう・・・」

 

ということを見抜いたのだ。

 

まあ、それは置いといて

 

夕食も終わり、入浴を済ませた時、ビール(発泡酒)を飲みながら、父と母は愛について語り合う。

 

私たちはウルトラの父と母であるから、やはり人類愛と「地球を救う」という愛について語り合うことが多い。

 

今日のテーマは「ネッシー」だった。

 

箇条書きにさせてもらう。

 

  1. ネッシーは日本語を理解できるか?
  2. 日本語がダメなら英語はどうか?
  3. 英語がダメならチベット語は?
  4. 愛を持っているのか?

 

というテーマだった。

 

いささか酔っているせいか、「愛はあるっしょ」、「いや、ないっしょ」、「いやいやあるっしょ」、「いやいやいや、ないっしょ」という適当な話を堂々巡りする中、携帯が鳴った。

 

いやな予感は当たりその電話の主は本間さんだった。

 

本間さんは少々酒癖がよろしくない。

 

けれど愛にあふれているのがウルトラの母

 

もちろん電話に出るのである。

 

今日の本間さんは話を妙な角度で切り出した。

 

「あのさあ、男の人紹介してくれない?」

 

紹介できる独身の男性。思い当たる人間がいる。

 

ウルトラの父の先輩なのだが、会うたびに「女の子紹介して」と口走るのだ。

 

もちろん50代前半、実家住まい、薄毛、メタボリックシンドローム、ケチ、というその男性が特に女性にもてた時期というのもないらしい。

 

そこで、わたしは本間さんにこう言った。

 

「紹介できないこともないけど、クレームは受け付けない。約束できる?」

 

そう、これはメタボリックシンドロームの50代と、本間さんその両方に対するからの言葉だ。

 

そう、言っておくが愛ゆえだ。

 

そしてその週の金曜日、メタボと本間さん、私たち4人で酒宴を我が家で開いたが、メタボは自分の飲んだ酒代くらいは払うと言うが、ウルトラなわたしたちが断ると、

 

「あっ、そう?」

 

と言って帰っていった。

 

そして本間さんと言えば、酒が進むにつれ

 

「どうせ、私なんかさあ」

 

と言いながら沖縄の古酒を手酌である。

 

ウルトラ夫婦も眠たい午前3時、もちろんいずれ世界を救うきぃちゃんも眠る中、我が家には本間さんの

 

「どうせ、私なんてダメな女なんでしょ」

 

等々の「どうせ」が響き渡っているのである。