俺はゆきにキスをした。居ても立っても居られないっていう風に。何度も角度を変えて、長く、長く、ゆきの唇にキスをした。 「苦しい、息ができないじゃない」 そう言ってゆきは笑うが俺は笑わない。 その時初めて知ったんだ。意志を持つ、人格のある、心のあ…
ゆきはおれの話を聞きながら、マルボロのゴールドに火をつけ、ふーっと吐いた。そして俺の話が終わると、それだけ?とでもいうような表情をして、こう言うんだ。 「私の元にはそんな話はいくらでも転がってるの。大抵の男性が似たようなことを家の玄関で宣言…
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